金曜日の夜。駅前の賑やかなイタリアンレストランで、湊はグラスの中の氷をカランと鳴らした。 店内は週末を迎えた客たちの楽しげな喧騒で満ちている。だが、その華やかな音は、今の湊の耳には遠い雑音のよう...
レストランを出たあと、湊は体調不良を理由に早々に麻美と別れ、逃げるように自宅マンションへと戻ってきた。 照明も点けず、靴を脱ぎ捨てるようにして自室のソファになだれ込む。 暗闇のなか、震える指先が...